先日、実家に帰省した際、司馬遼太郎の「人間というもの」という本が出てきました。
私は、大学を卒業し勤務医だった頃、そこの院長から司馬遼太郎の本を薦められ読みは始めてから、たぶん彼のほとんどの本は読みました。
その本はどれも心に残る、それこそ思わず、うなってしまう様な言い回しをしていて、いちいちその当時感激しました。
その後、現在までそのことを忘れていましたが、実家で見つけたその「人間というもの」という本は、彼の本の中の名言集で、ひとつひとつの言葉は私にその当時を思い出させると同時に再び感激させるものでした。
そんな名言集があったことを知らなかったのですが、それを85歳の父が最近買って持っていたということにも私は驚きました。
ところで、私はその事から遠い昔の事を思い出しました。
私は、小学校には入った頃から、よく本を読む子でした。
小学校3年生の時、そんな私に父がものすごくおもしろい本があるから、読んでみろとすすめられたのが、菊池寛の「父帰る」でした。
私は、それを読んで驚きました。
全く面白くない。。。しかも気分が悪くなる、その本は家族を捨てた父親が突然帰ってきて、それを受け入れる家族の心の葛藤を書いてあるわけですが、それよりも私はこの帰ってきた父親の図々しさも、又、それを受け入れてしまう家族の甘さも、小学校3年生の私には全く理解できないと同時に、これを私に勧めてきた、そして面白い本だからと言った父を不思議に感じました。その上でこれから父に薦められた本は読まないようにしよう・・・そんな事を今、思い出しました。
父とは年末に会う予定です。もう一度、父が読んで面白かったと記憶している本を聞こうと思っています。
同じ遺伝子を持っている以上、きっとそれはこれからの私の人生に役立ちそうな気が今はします。
だけど、さすがに父帰るはないかな。。。