2024.10.24「ちょうどいい歯ッピー」での質問①
今日は58歳の女性からのメールが届いています。最近口の中が燃えるように痛くなります。
半年ほど前からで一日中ではないのですが急に痛み出し最近はその痛い時間も長くなり頻度も頻繁になってきました。
もちろん耳鼻科にも歯医者さんにも行って診てもらっているのですが異常は無いと、
そのせいで最近食欲がなく夜も寝れません。
いったい私はどうすればいいのでしょうか。
ご質問ありがとうございます。文面から辛い気持ち分かりますよね、耳鼻科の先生も異常が無いとおっしゃってる。
何軒か病院を回ったんですかね。こういった原因となる病気が見つからないケースを私たちは不定愁訴と言っているんです。
ちょっとこの文面だけだと分らないんですが、耳鼻科の先生や歯科の先生は大学病院へ紹介してくれたんでしょうか。
この不定愁訴と診断されると、結果何もせず終わってしまって、何もしてくれないケースの一つになっちゃうんですよね。
ただ大学病院だと本来、歯科だけで計れない血液の検査やのMRIやMRAの撮影までしてくれてからの診断になりますから、その上で原因が見つかる。
つまり病名がわかる場合もありますので、病名がわかればそれに対しての治療法が決まりますから是非そうしていただきたい。
で、この話から、本当に予想だけの話しになって申し訳ないというか、言い訳させていただいた上で、これは口腔内灼熱症候群。バーニングマウス症候群では無いかと思うんですよね。
これは中高年の方、男性の方もいらっしゃいますが女性に多く見られるんですね、舌に明らかな病変は無いけれど舌を中心に口腔内にもヒリヒリした感じや灼熱感など不快な痛みを訴える疾患です。
その病態はまだ完全に理解されたわけではない。局所的、全身的、精神的要因の相互作用が関与しているといわれているんです。
だからこそ歯科医だけだと対応出来ない。
現在最も有効な治療法は抗うつ薬を中心とした薬物療法なんですが、逆にその薬のせいでこの口腔内灼熱症候群がおこる場合もあってめちゃくちゃ奥が深い。
この方、舌の痛みのせいで食欲がなく不眠との事ですが、これは舌のせいではなくて、神経内科的なアプローチ、特に50代女性の更年期は本当に色んな症状が出ますからね、上手く乗り越えていただきたい。
最後に一応言っておきたいんですが、精神安定剤や睡眠導入剤飲んでいるということが怖いとか恥ずかしいと思っていらっしゃる方いますけど、決してそんな事はありません。うまく利用していただきたいと思います。
この方も凄くつらいと思います。でも、どうせ死んじゃうので明るく生きようよというのを基本にもっていただきたいですよね。