「最近、きぬた歯科と同じ様なデザインの歯医者の看板をよく見かけます。
中には色合いまで似せている。以前私きぬた歯科っていっぱいあると思って
いたらあれだけ看板を出しているのに一軒と聞き驚きました。
何で先生は支店を作らないんですか?」
ご質問ありがとうございます。
そうなんです。この質問は本当に良くされます。支店というか分院をつくらないのか。
きぬた歯科って私がやっている横浜のきぬた歯科と弟がやっている西八王子のきぬた歯科。
お互いに資本提携は一切ないです。
1軒だけという事になる訳ですが、あちこちに分院を作ってらっしゃる歯医者の先生っていて、
同じ歯医者として私も興味やっぱりある訳です。
何人かに会った。あちらの方から誘われてなんですけどね。やっぱり分院展開している先生と私は違う。
彼らが目指しているのは歯医者として診療を通して人の為になりたいと言うプレーヤーで無く経営者なんですね。
私はそうじゃない。私、はっきり言って分院を建てようと思えば私が鍛えたスタッフはもちろん、
分院を建てる資金もあります。確かに分院建てようかと思った事もありました。
ただ、分院、支店を建てなかったのは自分でも明確に理由が分からなかった。
分院を何軒も建てている経営者、歯医者の先生達と会って話をしてその理由が分かったんです。
それは自分が直接きぬた歯科を選んでくれた患者さんに接したかった。
確かにきぬた歯科は担当医制で歯科医が私以外に今11名います。
ただその治療方針に悩む事、迷う事があった時に私を含めて、いつでもみんなで話し合うことが出来る。
それと、きぬた歯科に集ってくれたスタッフに対しても同様でその子たちの親から預かっているわけです。
一人一人の望んでいる事とか、性格を把握していたい。
そういった点でまだまだ至らない点はあると思うし、ありますが、少なくとも院長であり、
経営者の私にとってそう努力する事が義務だと思うんです。決してきれいごとじゃなくてね。
多くの分院展開されている先生たちがそうしていないという訳ではなくて、
悪いという訳では決してないんです。私には無理、多分私でなくても出来ないと思うんです。
私は24歳に歯医者になって最初から何が正しくて何が間違えているのか分からない訳ですよ。
本当にここまで色んな考え方をもっている歯医者と出会いました。
その度にそういった先生、つまり私と違う考えをもった先生に感化されそうになったこともありました。
ただ結論、感化されなかった。それは決してひとつの信念をもって生きてきた訳ではない。
思えばただ単に考え方はシンプルで患者さんの為になるのかきぬた歯科を選んでくれた
患者さんに喜んでもらえるのかということだけだったんです。
もちろん、患者さんにも色んな人はいます。患者さんの中には合わない人もいらっしゃいます。
そんな時は眠れない程落ち込む日も数えきれない程ありました。
ただ今はその一念をもっていればそれも仕方なしと思えて楽に最近はなっています。
そして今患者さんを幸せにするためにはスタッフが幸せじゃなきゃいけない、
スタッフを幸せにするには自分が幸せじゃなきゃいけないときぬた歯科のコンセプト通り生きています。
私が今一番幸せを感じるのはきぬた歯科のスタッフたちと一緒にいる時、
それと何より妻と一緒にいるとき。
そう思える今がある事で自分の歩んできた道に間違えはなかったと。
もう一度言いますが多くの分院を抱えてる先生が間違えてると言っている訳ではないんです。
ただ私は私にとっては分院をつくらなくて本当によかったと今つくづく思ってます。
弟も私の真似をして上手くいっていますしね。