【質問】
『先日、歯のレントゲンを撮った時に、下の親知らずが歯ぐきの中に埋まっていると言われました。
しかも、下向きに。実際レントゲン写真を見せてもらい、衝撃的でした。
今は痛みも違和感もないのですが、先生によると、その親知らずの手前に歯周ポケットができ始めていて、
「すぐにどうにかする必要はないけれども、爆弾を抱えている状態であることは間違いないので、数年以内には抜いた方がいい」とのことです。
しかも、「上下逆向きの埋まった歯を抜くには、大学病院で入院することになる、全身麻酔をする必要があるから2泊する」ということでした。
私にはまだ2歳の子どもがいるので、2日も入院するのはかなり難しいです。今は痛みもないので、しばらくは様子を見ようと思っているのですが、やはり歯は抜いた方がいいんでしょうか?
そして全身麻酔は本当に必要なのでしょうか? きぬた先生のご意見を伺えたら嬉しいです。』
【院長】
ご質問ありがとうございます。これ悩みますよね。親知らず、完全に下向きに向いてるっていうことなんですけど、
今ね、昭和の初期ぐらいの日本人たちのほとんどは親知らずちゃんと生えてたんです。
劇的に顎の大きさが変化して、ほとんどの方が、スペースが足りないから、親知らずってね、いろんな生え方があるんですよね。
下向きに生えたり、逆向きに生えてる親知らずまでありますよね。結局ね、私これ質問読ませていただいて、是非ですね親知らずを抜く基準について今日ちょっとお話したいと思うんですね。
親知らずって、やっぱり顔を見せてる場合と、この方のように骨に埋まっている場合って、2つパターンがあるんですね。
顔を出してる場合、これね、抜くかどうかの基準があるんですね。
やっぱりまずは、その親知らずが、今の時代でもちゃんと上下生えて、咬んでるケースってあるんですよ。その場合は、虫歯になったらちゃんと治療します。
ちゃんと治さなくちゃいけない。ただ、全く使ってないケースね、これは、今後も使う予定が無ければ、やっぱりそこの親知らずって粘膜を傷つけたりしやすいんですよね。
その場合は、痛くなくても虫歯になってたり、それから歯茎が腫れたりした場合、大抵の歯医者は抜くことを勧めてくると思います。
問題はね、こういう形で顔を見せてない親知らずの対応は、歯医者によってすごく異なるんですよね。
でね、あの、顔を見せていない場合でも、手前の歯をダメにしてしまっているケースってあるんです。例えば、歯周ポケットって今、ワードが出ましたよね。
そのポケットがね、その親知らずと繋がってるかどうかなんですよね。これね、多分「まだ大丈夫」って言われてるってことは、繋がってないんだと思うんですよね。
て事はですよ。埋まったまま一生終える方もいっぱいいます。で、これね、迷ったら、セカンドオピニオン求めてもいいと思うんですよね。今すぐ抜くべきかどうか。
それからもう一つね、その親知らずに出てくる勢いがあるかどうかなんですよ。これね、横向きに生えてて、その手前の歯を押してる場合があるんですよ。
あのね、この圧迫感は感じるんですけど、押された手前の歯はね、どこにひずみを出すかって言うと、前歯なんですよ。前歯がね、ガタガタしてくるんですよ。
前歯が押されてる感があるんですよ。そうすると、昔は歯並びが良かったんですけど、ちょっと歯の並びが悪くなってきちゃうんですよ。
レントゲン撮ると「あ、親知らず押してますね」そうすると、患者さんは「私親知らずあったんですか?」っていう「じゃ、これ抜けば治りますよね?」って、治らないんですよ。
だからね、これ親知らずが出てくる勢いって40歳くらいまで続くんですよね。
その前にね、一回ちゃんと写真を撮って「私の親知らずはどうか」と検査してもらった方がいいと思うんですね。
もう矯正医は矯正前に親知らずがあると「それを抜いた方がいいです」って勧めてくるのはそれが理由なんです。
せっかく治しても歯並びが狂わしてしまうってこと、あとね、全身麻酔のことなんですけど、全身麻酔やっぱりプレッシャーかかりますよね。
これね、全身麻酔するかどうかって、これ多分ね、このケースは大学病院とかに紹介することになると思うんですよ。
紹介した先の先生が判断することで、もう一回抜くことになる先生に相談された方がいいかなと思うんですね。
必要な場合もありますけど、まあ、大抵は全身麻酔までいかないんですけどね、ちょっと見てみないと分からないんですけどね。