【乳歯が生えそろうのが遅いと何か影響はあるの?】
〈茉奈さん〉
最初にメールを紹介します。
ラジオネーム:コロリンさん(女性)から頂きました。
「きぬた院長、石ちゃん、茉奈ちゃん、おはようございます。
乳歯なんですが、乳歯は2歳半から3歳くらいまでに全て生えそろうと聞いたんですけれども、まもなく4歳になる息子は、まだ生えそろっていません。院長、乳歯が生えそろうのが遅れると、将来的に歯への影響はあるのでしょうか?」というご質問ですね。
〈院長〉
なるほどね。基本的には、成長が早くて心配する親御さんってあんまりいらっしゃらないんですよね。
成長が遅いとみなさん心配する。その一つがね、歯が生えそろう時期が他の子より遅いと。
でもね、全然心配ないと思います、まあよく3歳児検診とか行くと、早産された方とか、まあ、お子さん歯が生えてくるのが遅い。
それから遺伝もありますよね。あの、兄弟がいると、お兄さんが遅いと弟も遅い。
そういうお父さんお母さんも遅かったっていうこともあると思うんですよね。
ただね、4歳だったら問題ないと思いますけれども、稀にね、全身疾患が乳歯の放出を遅らせる場合もありますから、行政がやってる、それこそ3歳児検診で、分かるはずなんですよね。
ま、これで問題なければ大丈夫です。ただ、一応、罹りつけの歯医者は持たれた方がいいかなと思いますよね。
ただ、歯が生えるのが遅い子の方が、虫歯になりにくいですよね。早い子の方が虫歯になりやすい傾向にあるなっていうのは、僕見ててそう思いますよね。
なんとなくイメージとして、歯が生えてくる前に、口の中、骨の中で、成熟するんでしょうね。例えば、永久歯生えてきたばかりの永久歯って弱いんですよ。
幼若永久歯って言って、永久歯が、例えば20歳になるまで、どのぐらい硬くなるかって言うと、生えてからそこまでいくのに、個人差があっても、倍ぐらい硬くなるんです。
で、その間にフッ素とかに触れさせることによって、より歯は硬くなってくる。僕や石ちゃんの歯にフッ素を塗ること全く効果がないわけじゃないけども、出てきたばっかりの永久歯にフッ素を塗ると、私たちに塗ったよりも、全然効果はあるんですよね。
〈石塚さん〉
改めて、先生って歯医者さんですね。
〈院長〉
ははは!ありがとうございます。
〈石塚さん〉
初めて聞きました、そんなこと。
〈院長〉
そうなんですよね。だからね、生えてくるのが遅い子の方が、虫歯になりにくいケースが多いでですよね。だから全然心配しなくていいけれども、極端に遅いっていうケースもある訳ですよ。
だからそれはね、歯医者以外の分野にも調べてもらった方がいい。でもそれって分からないじゃないですか、基準が。
だから、まず、罹りつけの歯医者に診てもらって、で、これが、常識的な範囲なのかどうかっていうのを、一応把握しておかれた方がいいかと思いますね。
〈茉奈さん〉
あとこれ個人的な疑問なんですけど、乳歯って自分たち、もちろん生えてたわけじゃないですか。で、歯が抜ける時って、なんか根っこみたいなのがついてて、ぐらぐらして、それをトゥーって自分で抜いてた記憶があって、あれって正しい抜き方ってあったのかなって、すごい気になります。
〈院長〉
あのね、すごくね乳歯を抜くタイミングって大事なんですよ。例えば、最近のお子さんたち顎が小さくなるので、乳歯が抜ける前に歯がちょっと顔見せちゃう場合があるわけですよ。
外とか裏側からね、そういう時にすぐ抜いちゃうと、そういう子ども達って、中で、永久歯がひしめき合ってるんですね、つまり乳歯っ
て場所取りの役目もしているわけです。
つまり早く抜くと、周りが寄ってきちゃうんですよね。乳歯の裏から永久歯がでてくるのは、乳歯に邪魔されて永久歯が出てきたわけじゃないんですよ。
それは、お母さんのお腹の中にいるときに、そこから出てくるって決まってるんですよね。
〈茉奈さん〉
えー決まってるんだ、もう。
〈院長〉
例えば裏から出てきた永久歯は、ベロの筋肉が表に出してくれるし、内側に戻してくれるんですね。きれいな歯並びってベロの形であり、ほっぺや唇の裏側の粘膜の形であるわけです。
で、顎さえしっかりしていれば、多少歯並びが悪くても、かみ合わせがおかしくなければ、けっこうきれいに並んだなって大人になって
から並ぶ子もいますから、あまり早まって矯正矯正って考えなくてもいいと思いますね。
〈茉奈さん〉
あーそうですよね~
〈石塚さん〉
場所取りをしてたんだね、乳歯は。永久歯の。
〈院長〉
そ、すごく大事な役割をしてる。
〈茉奈さん〉
勉強になりました。ありがとうございます。
さあ、さっそくですが、きぬた院長。最近ちょっと気になる話を耳にしました…「口笛が吹けない子」とか「風船ガムを膨らませられない子」が増えてるって本当ですか?
〈院長〉
いやーこれね、本当なんですよ。これね、“口の機能の低下”を意味してるんですよね。私たちが子どもの時って石ちゃんシャボン玉とか紙風船、風船ガムもありましたよね。あとピロピロ笛ってありませんでした?
〈石塚さん〉
あーありました。ありました。
〈院長〉
ありましたよね。これね、あの、最近の子ども達ってこういうことで遊ばないんですよ。
こういう昔ながらの遊びが、口のまわりの筋肉を鍛えることに私たちなってたんですよ。
で、そもそもね、今はね、外で遊ぶ機会も減って、口を動かす習慣そのものが減ってきているんですよね。
〈茉奈さん〉
そっかー。でも以前院長に、ピロピロ笛、いただいたじゃないですか。
あのね、いただいた時に一緒に遊ばせてもらって、口遊びがやっぱりお口のトレーニングになってるっていうことは聞いてましたね。
〈院長〉
そういうことなんです。だからこそ最近ね、乳幼児が窒息事故が増えてるんです。それもこの原因なんですよね。口の機能が衰えてるってことなんです。
2015年には、うずらの卵とかミニトマトで窒息した例があって、消費者庁も「小さく切って」「よく噛ませなさい」って呼びかけてるんですよね。
これね、小さい食材ほど、かえって危ない…でも、よく噛ませるってどうやって教えるか「よく噛んでね」っていうだけじゃ無理じゃないですか。
これね、すごい噛む力とか飲み込む力、お口の機能を育てるっていう必要があるんですよね。だから口を使った遊び。つまり“口トレ”がすごく重要なってきてるんですよね。
〈茉奈さん〉
やっぱり改めて、きぬたぬき君のピロピロ笛は間違いないですよね。
〈院長〉
そうなんです。だからこれ、みつこさん作ったんですよね。
〈茉奈さん〉
みつこさん、ありがとうございます。
〈院長〉
今日3名の方にあとでプレゼントします。
〈茉奈さん〉
ありがとうございます。
〈院長〉
してくださいって言われたんですけど、
〈石塚さん〉
吹く力がまた付きますからね。
〈院長〉
そうなんですよ。
〈石塚さん〉
だって僕とか院長の世代は、浮き輪とか、口で吹いてましたからね。
〈茉奈さん〉
え、しゅぽしゅぽしゅぽって…
〈石塚さん〉
あーもうそんなのお金持ちの子どもです。
〈院長〉
あーついてましたねー!吹いてました。
〈石塚さん〉
ポンプがある家なんてもうお金持ちの子ですよ。
〈茉奈さん〉
えー!そうなんですか?
〈院長〉
あの浮き輪1個膨らませるなんて、めちゃくちゃ口トレでしたよね。
〈石塚さん〉
本牧市民プールによく行ってたんですけど、もうバス停3こぐらい前から、もう浮き輪膨らませ始めて、、
〈院長〉
あれ、普通にやってましたよね。
〈石塚さん〉
やってましたよね。
〈院長〉
これね、口トレっていうのがね、大きく3つの分野で注目されてるんですよ。
まずは医療。飲み込む力が弱いと、誤嚥やむせるリスクが高まる。これ、子ども達だけじゃないんですよ。
年配者もみんなそうなんです。誤嚥性リスクでお亡くなりになる今死亡原因の4位に入ってますからね。
だから、ぜひやっていただきたいんです。ピロピロ笛や風船ガム、これ風船ガムなんて最近見ませんよね?
これ、大人の方もやるといいと思いますよ。そうすることで呼吸や口の筋肉を鍛えれば、そうしたリスクを回避できるっていうことにつながるわけですね。
次に美容ですね。口輪筋や表情筋を鍛えることで、フェイスラインが引き締まったり、たるみの防止になるんです。
〈茉奈さん〉
嬉しいこれは。
〈院長〉
要するにね「顔ヨガ」的な口トレになるんですね。
〈茉奈さん〉
暇なときに表情をしっかり動かす練習をした方がいいと、聞いたことがあります。
〈石塚さん〉
ものすごい顔でしゃべってたよね。
〈院長〉
そうなんですよ。あのね、ぜひやっていただきたいんですけど、それって、基準がなかなかないじゃないですか。
それを、風船を膨らませるとかそういうことを日課として、「きょう3つ風船膨らませよう」とかね。
そういうノルマを決めるとね、きっとね、乗り越えられると思いますよね。
〈茉奈さん〉
確かに楽しいですよね、ゲーム感覚でやるとね。
〈院長〉
まあ、実際やっていただいた方はね、「表情が明るくなった」ってよく言われるっていうふうに言われますよね。
〈茉奈さん〉
なんか、一種のトレーニングでもあるから、なんかスポーツみたいにも、がんばれそうで、楽しそう。
〈院長〉
そうなんです。このスポーツ分野でもすごい注目を浴びてるんですよね。
口トレをすることによってね、腹式呼吸がしやすくなるんです。呼吸が安定するとね、集中力も高まるんですよね。
ランニングやヨガ、武道などでも効果を感じる方が多いって言われてますよね。
それから子ども向けに「ドラえもんフーセンガム」っていうもの出たんですよ。
動画で“風船の作り方”まで教えてくれてるんですよ。
そうやって口の筋肉を鍛えるってことって、私や石ちゃんの時代って、自然にできてたんですね。今目標をもってやるべきなんですけど、石ちゃん、あのカップのアイスを食べる時にカップの裏側って舐めました?
〈石塚さん〉
当然舐めました。
〈院長〉
舐めましたよね!
〈茉奈さん〉
いま、あんまりついてないんですよ、カップの裏側に。
〈石塚さん〉
くっつかないような、素材のやつでしょ。
〈茉奈さん〉
そうなんです。ヨーグルトとかもほんと全然ついてないんですよね。
〈院長〉
そうなんですか!ついてたら舐めます?舐めないでしょ?茉奈ちゃん。
〈茉奈さん〉
まあ、スプーンで取りますかね。
〈石塚さん〉
ぼく、アイスもそうですし、あと、カステラの裏の紙、あれ、確実にザラメが食べたくて。歯でそいでました。
〈院長〉
そうですよね!吸ってましたよね、紙をね!
〈石塚さん〉
吸ってました!
〈院長〉
ああいう習慣が口トレになってたんですよ!僕たち本能的にやってたんですね。
〈石塚さん〉
本能的ですよね(笑)親に紙舐めろっていわれた記憶ないですもん。
〈院長〉
記憶ないですよね、あれ本当やってよかったですよ(笑)
〈茉奈さん〉
口筋というか舌も鍛えられますもんね。
〈院長〉
そういうことです!筋肉ですからね、舌もね。でもね石ちゃん、もう一回思い出して。これから僕たち年をとりますから。
誤嚥性肺炎にならないようにアイスのカップの裏側をお互い頑張って舐めましょう。
〈石塚さん〉
じゃあとりあえずサクレから始めましょう。とりあえずサクレから。
〈茉奈さん〉
お願い致します(笑)
院長ありがとうございます。

